向かいのお兄さん
第37章 限界
―――――――――――
先輩の車に乗ると、先輩は車を走らせた
最初のうちは沈黙で潰れたが、やっと先輩が口を開いてくれた
「美咲ちゃんさぁ」
『…はい』
「俺と付き合ってよ」
『ええ!!?』
声が裏返った
驚きを隠せないまま先輩の方を向くと、
先輩はニコニコと笑っていた
「だめかなー?」
『…』
彼氏
いなくなるのは
寂しいかな…
『…も…ちょっと、時間ください…』
悪い話
ではない
でも
さすがにこの場で答えを出すのは気が引けた
「…わかった」
先輩はハンドルをゆっくり回した
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