向かいのお兄さん
第37章 限界
『…切り出そうかと…思いまして』
「何を?」
あたしはため息をついてから、ふっと机に視線を落とした
『…別れ話』
「まじ!?」
寺内先輩は身を乗り出した
あたしは思わず顔を引く
「何で何で?」
『…いろいろあって』
「いろいろ?」
そう
と頷くと、先輩は眉を下げた
「そっか…まぁ、言いたくないなら言うなよ」
『…だから、言いません』
「はいはい」
明るい人…だな…
「話変わるんだけどさ、今日一緒に帰ってくんない?」
『唐突ですね…』
「だめ?」
あたしは一瞬躊躇ったけれど、その申し出を了解した
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