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白い雪のような

第4章 雪解け道

「ご苦労さま。寒かったでしょ?
お風呂入れてあるから
先にいただいてきなさい」

「うん…」

言われるがままに浴室へ行き、
脱衣所に入る。

そこで洸太はズルズルも座り込んだ。

手が震えて止まらなかった。

それが寒さからなのか、
それとも怒りのせいなのか区別がつかない。

うずくまって手の震えを
抑えようとしたが、
うまくいかない。


コンコン


脱衣所のドアをノックする音が聞こえた。

「洸、太?」

細く開けたドアから
顔を覗かせたのは朗だった。

「どうしたの?」

「…なん、でもない」

うずくまっている洸太を見て、
朗は脱衣所の中に入ってくる。

手の震えに気づいてその手をぎゅっと握った。

「お風呂入ろう?冷えたんだよ」

有無を言わさずどんどん服は
脱がされて、朗と二人、
一緒に湯船に浸かった。




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