テキストサイズ

あたしのご主人様!

第2章 ご主人様とピンクローター


「あ……あ、んうっ」


 体が熱い。

 シュウは十五分くらいで着くと言っていたけれど、もうとっくに過ぎているような気がした。

 けれど、車の時計に目をやると、まだ十分くらい。時間の経過が遅く感じる。

 あたしはシートベルトを握りしめ、ひたすら中のおもちゃがもたらす快感に耐えるしかなかった。


「ま……だ?」


 荒い息のまま小さく問いかけると、シュウは首を振る。


「もうすぐ」


 短い返答に安堵する。目的のショッピングモールに着けば、この責め苦から解放されるのだ。

 ふいに車が信号で停まった。

 停まっている時の車内は、なお落ち着かない。体内におもちゃを入れられていることが、通行人にバレやしないか。身悶えている自分の姿を、窓から人に見られやしないか。

 そんなことが気になって、顔を上げていられなくなる。

 早く青になれ!

 息を潜めて心の中でそう叫んだ時、まるであたしの心の中を読んだように、シュウが恐ろしい提案をした。


「暑いな。窓開けるか」

「え……っ、あ、ダメッ」


 口にするやいなや、するすると窓が開く。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ