
あたしのご主人様!
第2章 ご主人様とピンクローター
メニューを渡され、あたしはアイスティー、シュウはホットコーヒーを注文した。
オーダーを取り終えた店員が去っていってすぐ、緊張していたあたしを気遣うように優しい口調で、シュウが話し始める。
「早かったね。もしかして待たせちゃった?」
「いえ、来たばかりでした」
「なら良かった」
当たり障りのない話題から。
注文した飲み物が届くと、シュウはすぐに本題に入った。
「愛ちゃんは、どんなことに興味があるの?」
「どんなこと……」
いきなり聞かれても、正直よくわからない。
答えあぐねいていると、シュウはさらに質問を重ねてくる。
「前の彼氏に縛られたのが興味を持ったきっかけなんだよね。だったら緊縛に興味があるんじゃないの?」
「えっと……」
平然と聞いてくるシュウに、あたしはたじたじだった。
もともと異性と話すのは得意じゃない。初対面というのもあるし、下ネタも女子の友達と、彼氏としかしたことがなかった。
メールでいろいろ話しているとはいえ、本人を目の前にして話すのは、ひどく恥ずかしかった。
