
BL~中編・長編集~
第21章 ~番外編②~
「豊。」
「ひっ!!」
いきなりうなじを舐められ、驚いて声を上げる。
「潤!! いきなりなにすんだよっ!!」
「いや…うなじが見えたから、つい。」
つい…じゃないっての。
滅茶苦茶びっくりしたわ。
「優太…大丈夫か?」
「ん…大丈夫…じゃない…」
いたたたた…
怒鳴ったら、腰に響いた。
「腰…大丈夫か?」
「ぃっ…触るなよ…」
軽く撫でられただけで、腰に痛みが走る。
「そんなに痛いのか?」
「…っ…だから…触っ…」
ほんとに勘弁してくれ。
冗談じゃないくらい痛い。
「…豊。」
「うわっ!!?」
潤は俺の腰と足に腕を回すと、俺の体を軽々と持ち上げた。
ようするに、お姫様抱っこ。
「ちょ、なっ…」
「保健室行こうぜ。」
「は!?」
そう言うが早いが、潤は俺を抱えたまま教室を出た。
「俺らも行こうか?」
「え、ちょっ…海斗!!?」
教室を出る直前、後ろからそんな会話が聞こえた。
どうやら、近藤も俺と同じように、松下に保健室に連行されるようだ。
「保健室の先生に、なんて言うんだよ?」
「大丈夫。」
なにがどう大丈夫なのか、全然理解できない。
「ちょ、海斗!!」
「大丈夫だから、暴れるな。 腰、辛いんだろ?」
っていうか…ベッド足りるのか?
「「失礼します。」」
保健室に入ると、中には先生はいなかった。
「あれ?」
「先生、いないのか?」
「ん~…?」
あ、佐藤の声だ。
寝てるのか?
