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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

豊の顔から、血の気が引いていく。

「雨宮、やめろっ!!!」

雨宮に遠慮せず、本気で豊から引きはがした。

「がっ・・・・は・・ッ・・・」

「豊、大丈夫か!!?」

急に酸素を取り込んだせいか、豊はむせて座り込んでしまった。

慌てて姿勢を豊に合わせると、体勢を立て直した雨宮が、再び襲ってきた。

「そいつに触らないで!!」

「!! 雨宮、やめっ・・・」

「うるさいっ!!!」

俺の言葉を全く聞き入れようとしない雨宮。

その態度に、俺は完全にブチ切れた。

「いい加減にしろ!!」

「!!!」

本気で切れた俺に驚いたのか、雨宮は肩を震わせて動きを止めた。

「俺が好きなのは豊なんだよ!! お前でも、他の誰でもない!!」

「っ・・・・」

今度こそ、雨宮は絶望したように膝から崩れ落ち、泣きだした。

「・・・・悪いな。」

豊を抱きあげ、泣き崩れている雨宮を置いて屋上を後にした。

本当に、悪いと思ってる。
でも、大丈夫。 お前にもいるよ。 お前だけを想って、お前だけを大切にしてくれる人が・・・・

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