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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

豊・・・・

「ははっ・・・」

「お、おい・・・なに笑ってんだよ?」

こんな状況で笑い出した俺を見て、不良は不安そうな声を出した。

そうだ。

最初から、こうすればよかったんだ。

「・・・っ・・悪いな。 お前を巻き込むことになって。」

「お、おい!!」

豊・・・今、逝くから。

「おい、松下。」

「なんだよ!!?」

俺を助けようとして、松下は必死に先生たちに指示を出している。

普通、立場逆だろ。

こんな状況なのに、笑えてきた。

「お前は・・・近藤のこと、泣かせるなよ。」

「は?」

俺の言葉に、松下の顔色が変わった。

「絶対に、幸せにしてやれ。」

「おい・・・お前・・・・」

「潤也っ!!!」

俺は・・・あいつを幸せにしてやれなかったけど。

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