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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

やきもち?

「奏多・・・俺が合コンとか行っても、何も言わなかっただろ? だから、俺のことを本当に好きなのか不安になったんだ。 奏多のことだから、俺が友達付き合い悪い奴に見えないようにって思ってたんだろうけど。」

一馬の言葉通りだった。

本当は合コンなんて行ってほしくなかったけど、一馬の立場を考えて俺は何も言わなかった。

「俺は、お前の気持ちを確かめるために浮気したふりをした。 キスマークつけて、女がつけるような香水の匂いを漂わせて。」

「・・・ふり?」

じゃあ、あの日はまだ浮気してなかったのか?

「でも、お前は何も言わなかっただろ?」

あの時は・・・・混乱して、なにを言えばいいのかわからなかった。

「お前に妬いてもらいたくて、やけになった。 家に帰らなかったり、家にセフレ連れ込んだり。」

でも・・・そのせいで、お前を不安にさせたのか。

「ゴミ捨て場にお前のものが捨ててあるのを見て、我に返ったよ。 俺は、なにをしてるんだって・・・」

一年半も一緒にいたのに、初めてお前の本音に触れた気がするよ。

「一番大切な人を傷つけて・・・男として最低だなって・・・・」

一馬の愛情は、すべて俺に向けられていたのに・・・・

「一馬・・・」

気づけなくて、ごめん。

「うちに・・・・帰ろう?」

今度は俺が、本音を話す番だな。

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