テキストサイズ

BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

そんな会話をしながら教室に入った。

「ねぇ~・・・今夜はうちに泊まりに来ない?」

「うーん・・・」

教室に入ると、一馬が女の子に誘われているのが目に入った。

「いいでしょ?」

「考えとく。」

あの様子だと、俺が家を出たことに気が付いていないようだ。

まあ、気が付いていたとしても何も思わないんだろうけど・・・・

「おい、杉野。」

「あ、なんだ?」

吉村に腕を引かれ、我に返る。

「お前、あいつのこと見すぎ。」

「へ? あ・・・・え?」

俺・・・無意識のうちに一馬を見てたのか?

「ったく・・・」

「・・・ごめん。」

未練がましいにもほどがある。

「ん?」

「・・・吉村?」

吉村は何かに気が付いたのか、動きを止めた。

「どうした?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ