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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

スイッチを押し、後は風呂が沸くのを待つだけだ。

「じゃ、カレー作るか。」

キッチンに戻り、冷蔵庫からじゃがいもや人参を取り出す。

具材を切り、鍋で煮込んでいると、一馬が部屋から出てきた。

「よぉ、お帰り奏多。」

「あぁ・・・お疲れ様。」

一馬に声をかけられるが、俺は鍋を見つめたまま口を開いた。

「悪いんだけどさ・・・」

「コーヒー入れる準備はできてるし、風呂も沸かしてある。」

一馬の言葉を遮り、そう答える。

「そうか・・・悪いな。」

俺の言葉を聞いて、一馬は部屋に戻って行った。

かと思ったら、そのまま男を連れて風呂に入った。

・・・たぶんすぐ出てくると思うから、お湯沸かしておこう。

やかんを取り出し、お湯を沸かすために水を入れる。

「ふぅ~・・・さっぱりしたな。」

「うん。」

ちょうどお湯が沸いたころ、一馬と男が風呂から出てきた。

「奏多、コーヒー。」

「ちょっと待って。」

コーヒーを入れるためのコップを取り出す。

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