テキストサイズ

BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

「ほら、帰るぞ。」

「・・うん。」

差し出された手を、伊代は握り返しました。

その様子を、木の陰から悲しそうに見ている百の存在など、伊代は全く気が付きませんでした。

「伊代━・・・・」






「おはよー。」

「おはよー、麻紀。」

百と最後に会ってから、一週間程経ちました。

あれから、百は習い事に来ていません。

「また寝れなかったのか?」

「・・・うん。」

伊代は眠れない日を過ごしていました。

夢に、あの日のことが鮮明に出てくるからです。

『もう・・・お前と関わりたくない。』

「・・・ッ・・・」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ