
秘書のお仕事
第8章 失態
パタンと扉を閉められ、あたしは部屋で呆然と立ち尽くした
どうしよう
どうしようどうしよう…
今まで感じたことがないほどの恐怖が、あたしの全身を締め付けていく
泣きたいけど、泣けない
泣いてる場合じゃない
自分を守るような言い訳を考える気はない
だって、クビは大前提での作戦だったんだもん
でも、でももし…
涼や山田さん、他のみんなに悪い影響を与えるようなことになったら…
『社長ぉ…』
もう、社長に頼るしかない…
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しばらくすると、VIPルームの扉が開いた
『!!』
あたしは肩をびくつかせて、扉に目を向けた
そこからは、お客様の手を取ってエスコートしながら出てくる社長の姿があった
