
秘書のお仕事
第8章 失態
『社長』
「何だ?」
あたしは紙にまとめた本日のスケジュールを、口頭で説明した
『――…本日はお客様が訪問されるので、私は1時から部屋の掃除をさせていただきます』
「掃除?
そんなもの、他の従業員にやらせておけば…」
『お言葉ながら…私も空いた時間を無駄に使いたくありません』
にこりとほほ笑むと、社長は少し考え出した
パソコンに落とされた目…
それを飾るまつげが、うらやましいほど長い
「…まぁ、いいだろう」
『ありがとうございます。
失礼します』
うはっ
よっしゃ~
バカめバカめ、まんまとあたしの作戦に引っ掛かりおって~
「相沢」
『はい!?』
ルンルン気分もつかの間
あたしは体をびくつかせながら、社長の横まで寄った
