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どらくえ3

第8章 ロマリア

「うおーっ!ぶっとばせ!」

「いっけーメラだ!」

開始早々、歓声が上がる。
「すごいな…!」

「みんな賭けてるからね。必死よ」

「ママも賭けるの?」

「私も賭けるわよ。ごひいきが出たらね」

「ごひいき?」

「そうよ」

ママはご機嫌そうだ。

試合はキャタピラーと魔法使いの一騎討ちになった。

魔法使いはメラを連発している。

キャタピラーに直撃しているが、あまり効いていないのか、魔法使いに向かってずんずん前進する。


「メラ!メラ!メ…うあっ!」

魔法使いが押されて尻餅をつく。


「ぴぃーっ!」

キャタピラーが一声あげて魔法使いにのしかかる。

牛よりでかいイモムシがのしかかる。


ずぅーーん!!


キャタピラーが魔法使いを押し潰した。


カンカンカン!

ゴングが鳴る。

「勝負あった!キャタピラーの勝ち!倍率2倍でドン!払い戻しはあちら!」

アナウンスと共にうさみみバニーガールが客を誘導する。


ぞろぞろ歩き出す客達。



「へ~…キャタピラーってメラに強いんだね」

リサは感心している。

「そうね、耐性があるわけじゃないけど大きいし、体力があるからね。」


「魔法使いとキャタピラーだったらキャタピラーの方が強いんだ」


「組み合わせにもよるわよ?あの状態だと魔法使いがメラで押し切るときもあるわ。五分五分ね。倍率次第。後は運ね」


「ふ~ん」


「まあ、支配人とモンスターの腕にもよるけどね…と口が滑ったわね」


「え?」


「まあ、気にしないで。世の中、金儲けってことよ。あ、次の試合の組み合わせが発表されるわよ」

ママが指差す方を見ると、ピエロが壁に大きな紙を張るところだった。

「あ~っ!きたきた!アタシのお目当て。パンプキンマスク!」


…パンプキンマスク?

「そんなモンスターいたっけ?」

「さあ?知らない」

アベルとリサは首を傾げていたが、ママは一人で興奮していた。

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