
恋ばか
第37章 ~お慕い申し上げます~
「…いえ…その…最近、元気がないようなので…」
「……そんなことないですよ。」
毎日毎日…リチャード様の気が向いた時に、身体を弄ばれている。
「…そうですか…」
「………」
小内君に心配をかけてしまっているのは、申し訳ない。
隠さないとな。
「三神さん!!」
「? どうしました?」
小内君と話していたら、使用人の一人が慌てた様子でこちらに走ってきた。
「リ、リチャード様とニック様のお父様から連絡がありまして…」
珍しいな。 今は、忙しい時期でもないのに…
「ニック様が婚約なさるので、そのままアメリカに残られるそうです。」
「!!」
ニック様が…婚約を…?
「…………」
「三神さん?」
頭が、真っ白になった。
「へぇ~…あいつが婚約ねぇ…」
「!! リ…チャード様…」
話を聞いていたリチャード様が、どこからか出てきた。
「どうせ…なんだっけ?
あ、そうそう。 ジェシカだ。
あいつと婚約したんだろ?」
「え? あ、は、はい。」
どうしてニック様の婚約相手がわかったんでしょうか。
「どうして、そのことが…」
「あいつ、小さい頃からずっとジェシカのことが好きだったんだよ。
それは、今も変わらないんじゃないか?」
「!!!」
小さい頃から、ずっと好きだった…
「………」
「三神さん?」
じゃあ、やっぱり…
「? どうしました?」
「…………」
ニック様も…ただ、性欲処理がしたいだけだったのか。
