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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「行くぞ。」

「…はい…」

まずい。

顔が赤いのが、バレないようにしなくては。

「?」

あれ?

今日は、運転手は付けないのでしょうか。

「じゃ。」

「あ、行ってら……!!?」

頭を下げようとしたら、顎を掴まれ、短いキスをされた。

「なっ…」

「行ってくる。」

「ぁ…」

驚いている私を無視して、さっさと車に乗り込んでしまったニック様。

「い、行ってらっしゃいませ。」

慌てて頭を下げ、ニック様の車が見えなくなるまで見送った。

「っ…///」

あれは…

冗談のつもりで…

「よし、俺も行ってくるか!!」

「!!! リ、リチャード様…」

気づかなかった。

「俺の分の夕飯は用意しなくていいから。 じゃ。」

「…行ってらっしゃいませ。」

リチャード様も同じようにお見送りする。

「…………」

また…誰かを抱きに行かれたのでしょう。

さっきの口ぶりからすると、今日も午前様になりそうですね。

「さて…仕事しますか。」

おかしいな。

今までなら、ショックでしばらく動けなかったのに。

「…………」

ニック様と…セックスしたことで、動揺しているのでしょうか。

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