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恋ばか

第35章 ~おまけ2~


「はぁ…はっ…」

久しぶりだから…すごい、疲れた。

「留架…もういっ…」

「ふにゃ゛ーーーー!!」

「「!!?」」

今の声…鏡夜!?

「にゃ゛ーーー!!」

「鏡夜!?」

ドアの向こうから、鏡夜の声が聞こえる。

しかも、ただ事ではない。

「大丈夫!?」

急いでドアを開けると、カインに追い詰められた鏡夜が、俺の姿を見るなり飛びついてきた。

「にゃーー!!」

「ワンワン!!」

な、何事?

え? どうしたの?

「カイン…いいとこだったのに…」

「バカ!! そんなこと言ってる場合じゃないだろ!!」

鏡夜、一体どうしたんだ?

「にゃ…にゃ…」

「よしよし。 もう大丈夫だからね。」

体が震えてる…

カインになにかされた?

「俺、部屋に戻らないと。」

「ええ~…」

このまま鏡夜を放っておけないし。

「……わかったよ。 でも、まずはそれを掻き出さないと。」

「…うん。」

亮は優しい。

本当はまだ足りないはずなのに、自分のことよりも他人のことを優先してくれる。

「カインは部屋に戻ってろ。」

「クーン…」

寂しそうに鳴いたカインは、渋々部屋に戻って行った。

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