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「本当に面白いことがあったな。」

「ですね。」

「お前ら…性格最悪だぞ。」

いつから春架はこんな風になってしまったんだ。

「春架…俺はお前をそんな風に育てた覚えはないぞ。」

「そう？」

絶対空の影響だな。

「黒澤先生!!　いつまで先輩にくっついてるんですか!!」

「俺は恋人なんだから、当たり前だ!!」

頼むから、俺を挟んで喧嘩するのはやめてくれ…

「先輩は嫌じゃないんですか!?」

「え、いや…」

そして、俺に話を振るな。

「嫌じゃないよな、境。」

「………」

この状況は嫌だな。

「ほら、答えてくれないじゃないですか!!　やっぱり嫌なんですよ!!」

「そんなわけあるか!!」

誰か…助けてくれ…

「こら、うるさいですよ!!」

「あ、先生。」

救世主が来たーーー!!

「五十嵐様、あまり……って、あなたは…」

俺を説教しようとした先生の言葉は、真中の姿を見ると止まった。

「僕、真中新です。　先輩の未来の恋人です。」

「おい、最後の一言はなんだ？」

うわ…臣の顔が引きつってるよ。

「あ、どうも…五十嵐様の主治医の小山です。」

先生は少し戸惑いながら、真中にそう返した。

「五十嵐様、ちょっと…」

「あ、はい。」

助かった…先生に手招きされ、二人の間から抜け出す。

「どういうことですか？」

「実は…」

先生に今までのことを包み隠さず話した。

「そんなことが…」

「はい。　先生が来て下さって、本当に助かりました。」

あのままいたら、俺はキレてたな。

「先輩!!　いつまで先生とお話ししてるんですか!?」

「境、戻ってこい。」

「………」

次の瞬間には、真中は抱きついてくるわ臣には腕を引っ張られるわ…

「先生…」

助けて…という視線を送ると、先生は苦笑しながら俺を救出してくれた。

「ほらほら、五十嵐様は重態なんですから、あんまり引っ張りまわさないで下さい。」

先生は真中と臣を引きはがすと、俺をベッドに寝かせてくれた。

「ありがとうございます。」

「いえいえ。　これも仕事のうちです。」

小声でお礼を言うと、先生は優しく微笑んだ。