
恋ばか
第33章 ~貴方だけを愛してます~
『今、自分は受け専門だって思ったでしょ?』
「………」
ほんと、この幼馴染には敵わない。
『俺を抱けたんだから、あの子も抱けるよ。 結構可愛いし。』
「お前なぁ…そのこと掘り返すなよ。」
結構気にしてるんだぞ。
『冗談だよ。 まぁ、知らない人に盗られるよりましだったから、気にしてないし。』
「いや…気にしろよ。」
そんなにあっさり許さないでほしい。
『実際、あの子のことどう思ってる?』
「はぁ?」
うわ…こいつ、完全に楽しんでるな。
「……まぁ…可愛いとは思うけど…」
「へぇ~…」
明らかに留架の声ではないものが聞こえ、驚いて顔を上げると、黒い笑みを浮かべた臣が部屋の入口に立っていた。
「お、み…」
『ナイスタイミングだね。』
臣が来ることがわかっていたのか、留架はお腹を抱えて笑っている。
「留架!! おま…」
「今の話はどういうことかな? 境君?」
「いや…えっと…」
なんか、前にもこんなことなかったっけ?
『じゃ、また電話するよ。』
「おい!! ちょ、待っ…」
満足したのか、留架は俺が止めるのも聞かずに電話を切った。
「もう一回教えてあげようか?」
「え?」
あのやろ…これを見るためだけに電話してきやがったな…
