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恋愛短編集

第5章 母さんのオムライス


そう考えていると、机の上の携帯が短く震えた。

メールか?

そう思い、俺は起き上がって携帯を持つ。

それは思った通りメールで、梓からだった。


『今日はすまない。失言だった。お詫びがしたい。夜の9時頃お邪魔する。』


伝えたいことだけを書く。

梓のメールはいつもそうだ。

お詫びって、梓は何も悪くないのにな。

俺が勝手に逃げただけなのに…


『梓は何も悪くない。だから気にするな。』


それだけをメールして、時計を見つめる。

今は丁度7時、夕食の時間だ。

またあの繰り返しだ。

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