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「あ…。」



オレがそう小さく声に出したその声を、しっかり聞き取ってくれる人がいるんだ。



『何？』



優しい声で…。

自分ばっかりのオレに、優しくしてくれて…
家族の場所を与えてくれる優しい人達。

みんなに幸せで居てもらいたいから…



「あの、部屋を…直兄と、部屋を別々にして…欲しいんです。」



みんな心配してる。
直兄のオレへの執着も、オレと直兄の関係も。
従兄弟で、男同士で、長男で。
家を守らなきゃいけないのに…そんなのはやっぱり許されないんだと思う。


でも、やっぱり…それよりも自分が…直兄のそばにいるのが辛いから。