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トライデント

第5章 強きゆえに…


エルメス「もしかすると、ハーデス君の年齢も…。いや、やめましょう。しかし一番の疑問はなぜハーデス君がこんな神殿にきているかです。」





ゲオルグ「なぜですか?」





エルメス「もしも生まれながらの神であるならば、選ばれし者としてゼウス様の宮殿で暮らしておられるハズです。人間同士の戦争が見たいゼウス様がわざわざ神をこちらに配属させるわけがありません。しかもアルテミス様の手下としてです。」






2人は完全な疑問に捕らわれた。



エルメス「ハーデス君には悪いですが、もしも彼が冥王ならば恐ろしいです。
ハーデス様が何をお求めになるか分からないからです。さらに、ハーデス様はゼウス様の力をも凌ぐといわれます。
死で世界を埋め尽くすことを望まれた場合、我々の未来はないでしょう。
そしてそのペルセポネーという少女を刺激しないためにも姫様とハーデス君を合わせるのを禁止にしたのです。」





エルメスの予想は飽くまで予想だったが、見事に的を得ている予想だった。




それゆえに、だんだんハーデスの記憶喪失がただ事ではないと思えてくるのである。

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