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放課後は図書室で

第15章 それでも好きな場所に

「なんかよくわからないけど…。」


からかうような口振りの中に、ちょっと心配してくれている言葉もあって。

紗耶香の前で、どういうつもりなのか先輩の意図はつかめなく、混乱した。


「ともあれ、先輩は美希のこと、気に入ってるよね?心配して声かけてくれたんだよ?
…あんな風にされたら、好きになっちゃうよねぇ。」


紗耶香はニヤニヤ笑いながら、さっき先輩が触れたマフラーの端っこを摘まんでいじりながら言った。


「そんなことないよ…。」


そんなことない訳ないのに、紗耶香に笑われて、口を少し尖らせるとマフラーを紗耶香の手から引ったくって言った。

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