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　それにしても、光王の留守をわざわざ選んで彩景を家に入れ、更に香花を呼びつけた上に対面させるとは、どういう了見なのか、理解に苦しむところだ。
「―光王、これは多分、何かの間違いだとは思うんだけれど、その時、お義母上さまは仰ったの。お客さま―沈家の彩景さまとおっしゃる方があなたの―」
　そこまで言い、香花は言葉を途切れさせた。
―光王どのの許婚者として当家で暮らすことになった彩景どのだ。そなたは光王どのの傍に侍る者として、いずれ正妻になる彩景どのに挨拶するのは当然のことであろう。
―彩景はこれ以降、我が屋敷で暮らすこととあいなった。まだ婚礼は挙げてはおらぬが、実質的には光王どのの正室も同然の方だ。そなたは立場をわきまえて、礼を尽くすように。
　この話題に触れようとすると、どうしても、あの悪意に満ちた言葉を思い出してしまう。