
同居人
第5章 それぞれの相手
「…う、うん。分かった…//」
優の顔は
またいつもの笑顔に
戻った。
「じゃあね、なーちゃん」
「う、うん…。……優?」
「?」
「い…家で待ってて?風邪…ひかないようにね…?」
そう言って優に
鍵を渡した。
「うん、分かった。…ありがと、なーちゃん!!」
なんだかこの
やりとりが懐かしい。
この空間を
私はずっと
求めていたんだな…
優は私が会社に
戻るまで外で
見守ってくれていた。
私が中に入ったら
手を振って
優は歩き出した。
「…いってらっしゃい」
家に帰ったら
優が待っている、
…そう考えると
胸が踊る。
ああ、早く仕事
終わらせて家に
帰りたいな
