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恋は甘い香りと共に

第1章 はじまり





ふわりと、なにかが解けるように。



胸が一瞬高鳴ったことには気付かなかったことにする。



袖口の重みが消えて、翔が裏口へ歩いていく。



ドアを開けて一瞬振り返った。



「また明日ね、あらし!!」




…私の名前はあらしじゃなくて杏里!


って言う前にドアが閉まった。



なんつーか。




ガキ?




あんな色気むんむんな顔するくせに思ったよりこどもっぽい。


ぼーっと突っ立っているとさっき閉まったばかりのドアが再び開いた。




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