テキストサイズ

恋は甘い香りと共に

第1章 はじまり




…いや違う。


奈津美ちゃんには付き合って2年目になるくらいの年上の彼氏が居たはず。


昨日もノロケを聞いたんだ。


店に戻らなきゃいけないのに私の視線はもう一度ふたりの方へ向けられて。


「…ぁ」


キスをしていた。


壁に押し付けられた彼女の口に中村翔がなんども角度を変えながら唇を落としている。



そして



彼の手が彼女の胸の上で妖しく踊っているのを確認したとき、


私は興奮するでもなく、下半身を濡らすのでもなく、ただお腹の中からふつふつと怒りがこみ上げてきた。



やっぱり、サイテーだ。


顔だけの男なんて。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ