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恋は甘い香りと共に

第1章 はじまり




「奈津美ちゃん、私もう帰りたい」


「ほらあそこの窓際の席です!!」


私の呟いた声は小さすぎて届かなかったらしい。


そして奈津美ちゃんはご丁寧にも私の頭を持って方向を示してくれた。


無理やりそっちを向かされるかわいそうな私。


あ、いま首で変な音した…


「痛い、痛いよ奈津美ちゃん…」


「ほらほら!あそこ!」



視線の先、あの3人組が優雅に紅茶を飲んでいた。



「ああああ。なんで来てんのよ…」


「え、杏里ちゃん知り合いですか?」


「知り合いでたまるか!!」


「ちょっとなんで怒ってるんです?」


「あの人たちが居ると他のお客さんが居着いて席がまわらないじゃん!」



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