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掌の浜辺

第1章 春 - story -

23.続け-3-

 「フラスコ?忘れた~。覚えてる人いる?」
 「あれ、何だっけ、三角のだったと思うよ」
 「三角?あ、三角フラスコ?」
 「そうそうそれそれ」
 「おっけい。結局は三角?」
 「うん、三角」
 「三角って図形?」
 「図形でしょ、え、図形…から思い浮かべ…」
 長方形、正方形、ひし形、平行四辺形、台形、平面、立体…だめだ。具体的なものじゃ。さっき言われたし。う-ん。何があるかな。
 「長方形、正方形」
 と連呼していたら、ひらめいた。
 「あ!型抜き!!」
 隣2人とも、おねむ中。飛ばして次の人へ。
 「型抜きなら、夏祭り」
 「花火」
 「火薬」
 「危なっ!火薬かい。ん…爆弾?中に入ってっから」
 ス-ス-、と熟睡。その隣に行く。
 「爆弾爆発」
 「爆発?映画とかで…あ、スタントマンがいいかも」
 「スタントマンは命がけだもんね」
 「ね」 「命がけ…火だるま」
 「燃えてる」
 「燃えると煙が出る」
 「じゃ、煙草」
 「ニコチンだ」
 「ニコチン?!!言葉に表しづらくない?」
 「確かに」
 「え-…もう何かの物質でいいや」
 「強制終了?」
 「たまにはいいの!」
 「あは。物質ね、物質」
 私は考えこんでしまった。しばらく沈黙。

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