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掌の浜辺

第1章 春 - story -

13.やってしまった!

中身を見ようとしているに
外見に目が行ってしまうのは
甘えからか


 りょうこりんと別れて、オレたちは2次会をやるためにカラオケへ。
 歩いて5分、Merci.sunx(メルシィ・サンクス)に到着。入室手続きを済ませ、しばらく待ったあと店員に連れられA109まで行った。
 ギュィ- 「足元にお気をつけて靴をはいたままお入りください」
 「はい」
 その手に促され、オレたちは部屋に入っていった。
 「失礼致します」
 彼は戸をしめる。
 「ご来店ありがとうございます。こちらメニュ-となります」
 そのあと、マイクとリモコンとおしぼりを机の上に置く。
 「何かご注文はございますか」 「ビィル大」
 「はい」
 「カシスグレ-プで」
 「オレンジサワ-」
 「はい」
 「スクリュ-ドライバ-」
 「ウ-ロンハイお願いしまぁす」
 「はい」
 チェックリストにマ-クをつける。
 「以上でよろしいですか」
 「はい」
 「かしこまりました。失礼致します」
 このやりとりの最中も、酔っ払いたちは騒ぎまくっていた。

 「じゃぁナオトぉ」
 小野里先輩はトップバッタ-を彼に託した。しかし
 「もう入ってます」
 ナオトはテレビを指さす。
 あの有名なマ-チ♪
 マイクを持っているのは、ゆうこりんだ。何となくふらふらしているようにも見えるけど…
 「そ、う、だ!うれしいんだ、い-きる、よ、ろ、こ、び」
 ♪♪♪♪

 終電に間に合うように電車に乗ろうとしたのだが、途中で部長さんが駅のトイレに引きこもってしまあ、最終列車を逃す。オレの財布の中身は2000円。始発に乗ったとして、交通費で310円消えるから残り1690円。あと1週間をこれだけで過ごせってか。
 時刻は1時を回った。部長さんはとりあえずすっきりしたようだが、何となく気持ちが悪いということなので、近くのコンビニまで水とチョコを買いに行く。
 小野里先輩の手から彼女にそれらが渡される。
 (ありがと)


自動ドアが開くたびに
じめついた空気が
駅の外からもれてくる
なんてことは
今の時間帯にはないのに
そんな気がしてやまない
口に水を含んだり
チョコを食べたりして
少しは落ち着きを取り戻した
けど
まだ麻痺している
…と感じる

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