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第18章 校内散歩

 結局六限目の体育に出席した悠理は、そのまま生徒会室の前へとやってきていた。

 できることならば、この場を素通りして立ち去りたい。

 そして今すぐ教室へ戻って遥と話をしたいのだが、そういうわけにもいかず、悠理は震える手でドアノブをひねった。

 ――瞬間。
 
 目の前を確認する前に開いた扉の隙間から腕を掴まれ、声を上げる間もなく中へと引き込まれた。

 その際バランスを崩して転倒しかけたところを、『誰か』に抱きとめられる。

 ――わかってる、けど……。

 その正体に対し自嘲気味に笑った悠理の背へ、二本の腕が絡みついた。

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