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第八話 出現

ドガァァァンッ！！

巨大な爆音が村一帯に鳴り響く

「「ごほっ…ごほっ…」」

二人は辛うじて爆発から逃れた

「おーい！大丈夫か！？」

遠くからカイトの声が聞こえる 爆発のせいか周りが黒い霧に包まれた

その黒い霧の中から二つの人影が見えた

「良かった…生きて…」

カイトが言いかけたその時

「ばっかやろぉ！！！」

すぐさまパンチが飛ぶ

「ぐはぁっ！？」

カイトは理解出来なかった 何か俺…悪いことした？

すぐさま胸倉を掴まれる

「俺らを殺す気か！？」

そしてそのままぐらぐらと胸倉を揺らす

「わ、分かった分かった！分かったから許して！」

その時パッと胸倉を外す

「ったく、この野郎…」

ロイは男性に目を向ける 男性の目は本気だった けれど、その目はロイ達に向けられ無かった

「ど、どうした？」

男性に問い掛けるが男性は冷静な声で忠告する

「…呑気に仲間割れしている場合じゃなさそうだ…」

「「え？」」

ゆっくりと二人は男性の目先を追って見つめる

「「！？」」

黒い霧の中に、もう一つの人影が見えた

『グオォォォォッ！！！』

とてつもなく巨大な叫び声を発するとその衝撃で黒い霧が払われた

「ぐっ！？」

「何、だ…これ！？」

その巨大さは数十メートル離れているこちらさえも耳を塞ぐ程だった

「…」

しかし、男性はピクリとも動かない やけに冷静だ

黒い霧から出てきた怪物は他の怪物より二つ異なっている事に気付く

一つは触手 他の怪物はそれぞれ背中に一本ずつだが、奴の触手は四本持つ

もう一つは知恵 他の怪物は触手と長い舌で攻撃するが、奴には刀を持っている

文字通り【強敵】だった

「何…こいつ…？」

「気を付けろ！奴は他の奴より桁違いだ！油断すると死ぬぞ！」

三人は身構える それに合わして怪物も身構える

そして…互いに飛び込んだ