
異種間恋愛
第3章 不器用な優しさ
私が目を覚ますと小さな足音がして、そこにいたであろう小動物の姿が消えていた。
代わりに鮮やかな色の小さな実があたり一面に転がっていた。私は上体を起こすとそのうちの赤い一粒を摘み上げ太陽に向けてその手を高く上げた。
小さな粒が密集し合ってできているルビーのような果実はとても瑞々しく美味しそう。
「おいし、そう……」
そう呟くと同時にお腹から空腹を知らせる奇妙な音が鳴った。
食べたい、と思ってしまったがこれは落し物だ。
私はふるふると首を横に振って大きな木の後ろに隠れているリスのほうへそっと手を伸ばし果実を置いた。
隠れているつもりなのだろうが、愛らしい茶色と黒との混ざった尻尾が木の影から見えていた。
しばらくすると尻尾は消えて果実が私のほうへ転がってきた。
「?」
もしかして、私にという意味なのかもしれない。
昨日の朝から何も食べていない私は手を伸ばして一口大のその果実を頬張った。
口の中にいれ、噛むと甘酸っぱい果汁が溢れ出し、舌の上に広がった。
ごくりと飲み込めば栄養たっぷりの果肉が体中に染みわたる気がした。
「すごく美味しいっ」
その美味しさに感動して思わず大きな声を出し頬を緩ませた。
すると木の陰から小さく可愛いリスが姿を現し、警戒するように少しずつ抜き足差し足でこちらに近づいてきた。
果実を食べたことを怒っているのかもしれない……、どうしよう。
小さな小さな鼻を動かしながら私の膝に近付くと前足をかけてよじ登ってきた。
齧られるのかと思い少し怯えながらリスの様子を見ていると……。
代わりに鮮やかな色の小さな実があたり一面に転がっていた。私は上体を起こすとそのうちの赤い一粒を摘み上げ太陽に向けてその手を高く上げた。
小さな粒が密集し合ってできているルビーのような果実はとても瑞々しく美味しそう。
「おいし、そう……」
そう呟くと同時にお腹から空腹を知らせる奇妙な音が鳴った。
食べたい、と思ってしまったがこれは落し物だ。
私はふるふると首を横に振って大きな木の後ろに隠れているリスのほうへそっと手を伸ばし果実を置いた。
隠れているつもりなのだろうが、愛らしい茶色と黒との混ざった尻尾が木の影から見えていた。
しばらくすると尻尾は消えて果実が私のほうへ転がってきた。
「?」
もしかして、私にという意味なのかもしれない。
昨日の朝から何も食べていない私は手を伸ばして一口大のその果実を頬張った。
口の中にいれ、噛むと甘酸っぱい果汁が溢れ出し、舌の上に広がった。
ごくりと飲み込めば栄養たっぷりの果肉が体中に染みわたる気がした。
「すごく美味しいっ」
その美味しさに感動して思わず大きな声を出し頬を緩ませた。
すると木の陰から小さく可愛いリスが姿を現し、警戒するように少しずつ抜き足差し足でこちらに近づいてきた。
果実を食べたことを怒っているのかもしれない……、どうしよう。
小さな小さな鼻を動かしながら私の膝に近付くと前足をかけてよじ登ってきた。
齧られるのかと思い少し怯えながらリスの様子を見ていると……。
