
異種間恋愛
第14章 導かれた青年
空気を切り裂く高い音が暗闇に吸い込まれていく。
やがて大きな羽の音が近づいてきて、僕の肩に止まった。暗闇の中でもその存在が一目でわかる真っ白な鳥。幼いころから一緒のこの子にはハクという名前がつけられている。
僕は馬を止めて、背に密着していたカバンからランプと紙切れ、ペンとインクを取り出した。
馬から降りて、地面に膝をつけるとズボンの生地の上からでも土の湿気が伝わってきた。夜は急激に冷えるのがこの地域の特徴だ。リアが風邪でもひいていなければいいが……。
ランプに火を灯すとそれを土の上に置き、口にペンを咥えて紙を広げた。
数枚カバンに入れてきた紙はもうしわくちゃだったが、あるだけ幸運だ。インク壺をできるだけ近くに置くとペンを走らせた。
短い文章を書くと、肩におとなしく佇んでいるハクに紙を丸めて嘴の間に挟ませる。
ハクが甘えるように頭を擦り付けてきたから、僕は数回体を撫でてやった。それに満足したのかハクは颯爽と漆黒の闇に飛び立った。
これで、リアを保護してもらえるだろう。
今は少しでも早くリアを見つけ出し、安全な場所に身を置かせるのが先だ。
たとえ悪魔に取りつかれた王家の人間の手を借りてでも。
「ラドゥ王子、あなたはまだ腐っていない。どうか、リアを守ってください……」
跪いて地面に声をぶつけると再び馬に跨った。
突然、太陽のような笑顔で笑うリアの顔が真っ暗な空気を真っ白に変えて僕の目の前に現れた。そんな気がしたのは僕の頭がまだ痛むせいかもしれない。
やがて大きな羽の音が近づいてきて、僕の肩に止まった。暗闇の中でもその存在が一目でわかる真っ白な鳥。幼いころから一緒のこの子にはハクという名前がつけられている。
僕は馬を止めて、背に密着していたカバンからランプと紙切れ、ペンとインクを取り出した。
馬から降りて、地面に膝をつけるとズボンの生地の上からでも土の湿気が伝わってきた。夜は急激に冷えるのがこの地域の特徴だ。リアが風邪でもひいていなければいいが……。
ランプに火を灯すとそれを土の上に置き、口にペンを咥えて紙を広げた。
数枚カバンに入れてきた紙はもうしわくちゃだったが、あるだけ幸運だ。インク壺をできるだけ近くに置くとペンを走らせた。
短い文章を書くと、肩におとなしく佇んでいるハクに紙を丸めて嘴の間に挟ませる。
ハクが甘えるように頭を擦り付けてきたから、僕は数回体を撫でてやった。それに満足したのかハクは颯爽と漆黒の闇に飛び立った。
これで、リアを保護してもらえるだろう。
今は少しでも早くリアを見つけ出し、安全な場所に身を置かせるのが先だ。
たとえ悪魔に取りつかれた王家の人間の手を借りてでも。
「ラドゥ王子、あなたはまだ腐っていない。どうか、リアを守ってください……」
跪いて地面に声をぶつけると再び馬に跨った。
突然、太陽のような笑顔で笑うリアの顔が真っ暗な空気を真っ白に変えて僕の目の前に現れた。そんな気がしたのは僕の頭がまだ痛むせいかもしれない。
