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ブルースカイ

第10章 恵(中)

すでに時遅し、まるで深呼吸のように吸っている恵。



ゲホッゲホッ



アホや、人の話を聞かんからや。



「一気に吸うから、そうなんねん。合わんやったら、無理して吸いなや。」



恵は俺の話そっちのけで、むせかえっていた。



はぁー。



俺はため息を吐くと、恵の背中を擦ってやる。



「あり、ゲホッ。」



「まず落ち着いてから喋りや。あれやったらタバコ消し。」



恵は灰皿にタバコを置く。まだチャレンジする気なんか?



一通りむせると、落ち着いたらしく、再度タバコを取る。



ゆっくり吸い込み、煙を吐く。



「慣れたわ。」



「どうや?」



「嫌いやないかな。」



「無理して合わせんでもええねんで。」



「無理はしてないから、大丈夫や。」

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