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ブルースカイ

第10章 恵(中)

恵の電話が鳴る。



「メールや。フミヤ君からや。」



「なんて?」



「何も書かずに送ったら、『見た事ないけど、どこのバンド?』やって。」



俺は拍子抜けした。



「そうなんや、気付いてないならええわ。適当に誤魔化しといて。」



「あら、聡やって送ってもたわ。」



「恵、ちょい待て。いらん事言いな。」



「でも、もう言うてもたし。」



俺はため息を吐いた。



「ごめん、ネタ明かしせな、おもろないやん。」



返事する気にもならんわ。



「なあ、聡。怒ってる?」



「ちょっと。」



「目が笑ってないし、結構怒ってるやんな。」



「怒ってはない、呆れてるだけや。」



俺の電話が鳴る。相手はフミだった。



「もしもし。どないしたん?」

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