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ブルースカイ

第10章 恵(中)

いつも通り、本山の駅で降りる。



フミは山手側、俺らは海側に歩き出す。フミの前では遠慮していたのか、恵は俺の手を握ってきた。俺も手を握り返す。



下のコンビニで買い物をして、部屋に入ると恵が微笑んで言った。



「やっと2人きりやね。」



「やな、今日もお疲れ様。」



「今日な、患者にしつこく迫られたん。病院来て、受付でナンパとかまじありえん。」




「ほんまやな。そんな元気あるなら、病院来なって話やし。」



「やんな。でも、骨折やから、元気は有り余ってんちゃうん。」



「なるほどな、困った怪我人やな。」



恵は座って言った。



「買ってきた飲み物でも飲もうや。」



俺は座って缶ビールを渡す。恵が受けとると、俺は酎ハイを出して、栓を開ける。

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