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ブルースカイ

第10章 恵(中)

「アハハ、間違いない。」



フミはタバコに火を点けたので、俺もタバコに火を点けた。



静かな時間。ただ2人でタバコを吸い、会話を交わさなかった。フミは悩みの答えを持ってる。やから、悩みの内容も話さんし、それに対する人の意見を聞かない。



「強さであり、弱さやな。」



「なにが?」



「悩みの詳細を言わんとこ。相談せんでも、答え持ってるとこ。俺にはでけん生き方やな。俺の場合、答え決まってる時ほど、わざとぼやくタイプやから。」



「確かにそうやな。ソウは天の邪鬼や。人の話聞くけど、決断する内容はだいたい答えた通りにはせんな。」



「アハハ、わざと悩んでるふりする事あるし、たち悪いやんな。」



「間違いないわ。」



顔を見合わせて笑う。



フミはタバコの火を消すと立ち上がる。

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