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ブルースカイ

第8章 恵(上)

「そのポーカーフェイス直せばええんや。俺らの前で見せる表情豊かなソウを皆に見せたらええねん。」





「誰にでも愛想笑いできるほど、お人好しやない。ええねん、嫌われるんなれとうから。」






「ソウ、あかんて。作り笑いでもええから。こんなええ奴やのに、誤解されてるん悔しいねん。」





「フミらが誤解しとんかもやで。連中の方が正しいと、俺は思うわ。」





フミはため息を吐くと、タバコをくわえ、火を点けた。





「ソウには何言うてもムダやな。」





俺もタバコをくわえ、火を点けた。





「鬼聡も捨てたもんやないで。ちょっといい事すると、異常なほど、ええ奴みたいに思われるし。」





フミはクスクスと笑った。

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