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第26章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 3

目の前には文字通り、生死を分ける攻防戦。

気を揉みながらも、目が話す事が出来ず、何時しか揺れも、意味不明の爆発音も聞こえなくなっていた。

そういえば・・・あれだけ爆発都かあれば普通は警察とか来るよね・・・と少し疑問に思って見た所で、

ただ無意識に目線を下げ・・・・・。

! ! ! ! !

「キィャアァァーーッッ!!」

足首に伸びる手の距離は数センチ。そして、意思が無いガラス玉の様な目が視界に入ると、

本来なら黙っておくべきなのは解っていても、あまりの恐怖感に言葉にならない悲鳴を上げてしまった。

そしてそのまま後ずさり・・・腰が抜けて、トンッと尻餅。

劈く様な悲鳴に、部屋の中の2人はピタリ、と止まり、こちらを見ていた、けど。

「絢乃」

嬉しそうにニッコリ笑う斎は目の前のカナメの事など、一瞬のうちに興味を無くしたのか、

対峙していた筈なのに、つかつかこちらに歩いてくる。

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