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第26章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 3

その音は、私が一番斎と過ごした部屋から聞こえてくる。

廊下と部屋の間を仕切る筈のドアは、閉められてはいなかった為、開けっ放しで、

外に電気の光が漏れている。

恐る恐る、中を、覗こうと、近づく、と・・・。

入口付近に、倒れていて、動かない・・・男。

床には、大量の、血。

「・・・ヒッ」

小さく悲鳴を上げ、それ以上悲鳴を上げない様に、両手で口を覆う。

死んで、いる、かも・・・?

助けてあげ、たい、と思いつつも、その奥の様子が知りたくて、死体に本能的恐怖も感じながらも、

近付き、開け放っているドアの向こうをこっそりと・・・覗けば、

部屋の中心部に倒れ、血を流している死体を新たに目にする。

そして、

部屋中を動き回り、お互い剣を振り回す、

カナメという男と、斎が、いた。

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