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第3章 case2 【貴方ガ欲シイ】 1

終業式は滞りなく終わり、世間一般は夏休みに入っていた、7月下旬。

学校内の景色も少し変わった。人数が少ないから、明らかに静かになった。

とはいえ、自宅から通学する通学組が補習に来たり、帰省せずに寮に残った人もいて、退屈は今のところしていない。

他の寮生が、部屋を訪ねてきた時、どうしようか焦ったけど、開けると同時に、元々いた寮の部屋の内装に一時的に戻ったりして、

振り回されてるけど、その辺は気を使ってくれてるのか・・・なんて気遣いに妙に嬉しく感じたり。

って都合の良い様に思わされてる筈なのに・・・顔を合わせて寝る行為で、警戒感も嫌悪感も無くなっていくこの状態がある意味怖い。

夜についてはあれから週に何度か同じように起こされ、暗闇の中唇にキスが落ちる。でも行為としてはそれだけ。

段々物足りなくなるけど、もっと、なんて言えるはずもなく、夜の件に関して、口に出したことはなかった。

こんな事出来るのは、斎しかいない。それは解っているのだけど。

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