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第16章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 1

男の姿が見えなくなったと同時に、ドアを開け、早足で部屋に引き摺り込まれる。

「ち、ちょっ、危ない、離してッ」

ワタワタと足が縺れたかと思えば、急に抱きかかえられて放り込まれた先は、ベッドの上で。

「なっ」

放り込まれた時点で、この状況はヤバイと察知は出来たので、逃げようとするも、簡単に押さえつけられて馬乗りになる斎。

あ、相変わらず素早い。というか、何がスイッチになった?

「気になる?」

最近、押し倒される率、高くないだろうか。的場君の時とか・・・。

気になる所は沢山ある。例えば今の状況になったのは何故かとか、さっきの男は何者なのかとか、斎とどういう関係なのか、とか。

・・・けど、ここで『気になる』という訳にはいかない、という事も察知出来たから。

「斎、が気になる」

斎が絡んでなかったら、気にする相手じゃないのに・・・。

「あの男とは会うな」

珍しく干渉するなぁと思いつつ、落ちてくる唇を受けた。別に会いに行くつもりはないから、関わる事は少ないだろうと思いつつ。

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