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第16章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 1

「・・・盛ってんなぁ」

ぽつり、と声が後から聞こえた。マイペースそうな聞いた事のない男の声。

冷や水を被ったかの様に、一気に頭が冷えた。ここ、廊下でしょッ!!

私の部屋のドアの前で、斎にあれやこれや、何時も通り流されそうだったけどッ。

というか既に流されてたけどッ。

というかどうせなら部屋の中だったら、ばれなかったというかッ。

あー、違うそうじゃない。ばれるばれないじゃなくて。

・・・というか、根本的に。

「離れてッ」

「何故?」

そこで何故?という言葉は可笑シクナイデスカ?斎サン?

「私は露出狂じゃないの」

「大丈夫、口が堅いから」

そもそも・・・そういう問題じゃない。

反論空しく、斎は本能のまま再度私の唇を問答無用とばかりに塞ぐ。

「ンンッ」

ジタバタと逃げようとしても、壁に抑えつけられて、手首をしっかり握られて、身動き取れない。

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