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contract

第3章 case2 【貴方ガ欲シイ】 1

「あれはわたしの玩具。わたしの猫。わたしのもの。契約を結べぬ唯一の相手。そしてわたしを敬う事は命じていない」

・・・契約を結べぬ?
そもそも、契約って、何?

「これ以上手を出せば・・・」

「・・・解りました。斎様」

「宜しい。・・・では行こうか」

クルリ、と振り返った斎。声が違う。明らかに。冷たさが無い。

そして彼女の目は私を射抜きそうだ。さっきよりも強く睨む。唇をかみしめ・・・さながら般若の顔。

怖い。反らしたい。でも射抜かれて動けない。金縛りにあったように。

私の中で謎は深まるばかり。彼女は何、そして私は何?

混乱する頭。容赦なく引き寄せられ、絡まる腕。そしてそのまま・・・気が付けば、

あの豪奢な部屋に・・・いた。

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