テキストサイズ

NO VOICE LOVE

第1章 はじまりは、すぐそこに


苦手な匂いに、つい顔を背けてしまう。
ついさっき自分が通ってきた扉が
目に入り、引き返そうか迷う。

さまざまな色のスポットライトで
照らし出されたステージの上では
演奏を終えたであろうバンドが
ステージを去ろうとしており、
次のバンドが準備を始める。

(…帰ろうかな)

思い返せば、手渡されたチケットに
なぜか魅了され、チケットに書かれた
地図を頼りにいつの間にか
ここに辿り着いていたのだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ