君がくれたぬくもり
第43章 汚れ
その時、携帯が光った。
「……!」
陽菜かと思い開くが、
陽菜の携帯は、俺の携帯の隣にある。
だから連絡も取れないのだ。
「チッ…」
軽く舌打ちして黒い光沢を放つ携帯を開く。
ディスプレイの明るさが眩しい。
Eメール受信…
【千夏】
……千夏?
そこには別れた女の名前があった。
【今から会えないかな?】
はぁ?
今さら会って話すことなんかねーよ。
【無理】
素早く打ち込む、送信…と。
一分も経たないうちに返信がきた。
【陽菜ちゃんが誘拐されて大変だから?】
その返信に、俺は疑問を感じる。
この家のやつしか知らないはずのこと、
何でこいつが知ってんだ…?
しばらく返信に悩んでいると、今度は電話が来た。
もちろん千夏だ。
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