君がくれたぬくもり
第42章 叫び
突然塞がれた唇に、陽菜は目を丸くした。
やだ……
岳以外の人とこんな……
「んっ……んんっ……ぷは」
「世の中は理不尽でよぉ……」
スカートの中に手が入ってくる…。
いや……気持ち悪い。
「俺みたいな不細工には女が寄ってこねぇんだ!」
「な…っ、だからあんなにたくさんの人を誘拐したの!?」
「あぁ。ここは俺が作り上げた理想郷。
他にも俺と同じ境遇のやつらが楽しんでるよ。
可哀相だと思わねぇか?
女はみんな美男子に惚れていく…」
信じられない…
要するに
ただ自分たちがモテないから
女の人を誘拐して自分たちの遊びの道具にするってこと?
「汚いよ…」
「は?」
「そんなことだからモテないんだよ!不細工なのは顔じゃない!あんたたちの心だよ!
誘拐されてきて、好きでもない男に弄ばれるあの人たちの気持ちも考えて…」
「うるせぇ!」
パンッ!
頬に乾いた音と痛みが走る。
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