君がくれたぬくもり
第18章 元カノの存在
岳に駆け寄る陽菜。
「岳、おかえ……」
え……
陽菜をすり抜け、マリナさんの方に行く岳。
「久しぶり……ね?」
「マリ……ナ……?
なんでここに……」
「会いに来たのよ。」
マリナさんはニコッと笑うと、岳の首に腕を回し抱きしめた。
何が起こったのか理解できずにポカンと口を開ける。
硬直していた岳は陽菜の存在に気づき、マリナさんを自分から引き剥がした。
「……やめろよ。」
「あら、どうして?」
何も言わない岳。
マリナさんの視線がこちらに向く。
「……そういうことか。」
目が合うとマリナさんはポツリとそう言った。
そういうことってどういうこと?
マリナさんは誰なの?
「帰るわ。岳、これあたしの番号とアドレス。連絡してね?」
マリナさんは岳の手に名刺のようなものを渡すと、
陽菜に一瞬だけニコッと微笑んで家から出て行った。
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